ふるさと村高暮は中四国随一の落葉広葉樹林帯に位置し、その周辺には今では稀少となった豊かな生態系を形成する里山の自然が残っています。
出雲から中国山地にかけての地域は、神話時代より朝鮮半島から移住した集団によって伝えられたタタラ文化が繁栄した土地としても有名で、各地には多くの遺跡が発見されています。
鉄を生成するために燃料として大量の木炭が必要とされましたが、その木炭の原材料として適していたブナやナラなどの落葉広葉樹はさらに数倍の量が必要とされ、まさしく山がなくなるほどに伐採されました。
しかしすべてを切り倒してしまうと、製鉄プラントそのものが崩壊してしまうため、これらの雑木林は人工的に植林・管理され、何十年もの長いスパンで計画的に伐採し利用するための正確なサイクルのもとに維持されてきました。
結果的にタタラという当時最先端の鉄製産の技術の移入がこの地方の植生を特徴づけることとなりました。山が鉄を作り、鉄が山を維持してきたのです。
近代以降、日本の中山間地のほとんどは建築資材としての価値が高く、成長の早い杉や檜の植林が進行し、利用価値の低い雑木林は減少の一途をたどりましたが、その状況の中、高暮ダム湖周辺から君田村にまたがる地域は広島県の指定する神之瀬峡自然公園として、豊かな自然環境が保全されてきました。優れた景勝地としても有名で初夏には萌える新緑、秋には色鮮やかな紅葉を見ることができます。
落葉広葉樹林がもたらす恵みは、均一の同質化された常緑針葉樹の人工林にはない、多種多様な動植物の生息を可能にし、深く広がりのある生態系を形成します。山頂付近に今では貴重となったブナ林の残る指谷山県自然環境保全地域をはじめとして、高暮の山にもツキノワグマをはじめ大小の動物や野鳥、昆虫が生息しています。このライブラリーでは高暮で撮影されたこれらの動植物を紹介していきます。